
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
🦷 東アジア系に多い“平面的な顔立ち”と矯正の考え方
2025年06月23日
~インビザラインの設計は、欧米式で本当にいいの?~
「マウスピース矯正って、自然な仕上がりになるんですか?」
そう尋ねられることはよくあります。
確かに、マウスピース矯正(インビザラインなど)は目立たずに歯を整えられる画期的な方法ですが
その設計は欧米人の骨格を前提に作られているという事実、ご存じでしょうか?
今回は、東アジア系の顔立ちに合う矯正設計とは?というテーマで、
骨格的な特徴から具体的な治療の注意点まで、わかりやすく解説します☝️
✅ 東アジア人に多い「平面的な顔立ち」とは?
東アジア(日本・韓国・中国など)にルーツを持つ人々の顔立ちには、ある共通した傾向があります。
特徴 | 説明 |
---|---|
鼻が低め | 顔全体が“前後に薄い”印象に見える |
顎が小さい | 歯が並ぶスペースが少なくなりやすい |
口元が出やすい | 上下の歯が骨格に対して前方に位置することが多い |
フェイスラインが平坦 | Eライン(横顔の美しさの基準)を作りにくい |
これらの特徴が重なることで、
👉 出っ歯や“口ゴボ”に見えやすい
👉 笑顔が前に張り出して見える
👉 横顔がのっぺりと見える
といったお悩みにつながることが多いのです。
✅ 欧米式の“広げる矯正設計”が合わない理由
インビザラインなどのマウスピース矯正は、
もともとアメリカ発の矯正システムで、
設計思想も「欧米人の骨格」に最適化されています。
つまり:
顎が大きく、スペースに余裕がある人向け
歯列を横に広げてスマイルラインを強調
前歯を少し前に出すことで華やかに見せる
というのが基本的な考え方。
📌 でも、この設計をそのまま東アジア系に当てはめると…
❌ 口元がより前に出てしまう
❌ 横顔にメリハリがなくなる
❌ “笑っても口を閉じてもなんとなくモッタリ”に
という、本来避けたい見た目に仕上がってしまうケースも少なくありません。
✅ 東アジア人に合うインビザライン設計のポイント
マウスピース矯正で「自分に似合う口元」をつくるには、
顔立ちに合った“デザインの引き算”が必要です。
設計のポイント | 内容 |
---|---|
歯列の拡大を抑える | 不必要に歯を広げすぎないよう設計調整 |
前歯の位置を後退させる | 出っ歯・口ゴボの改善には「引き締め」 |
抜歯スペースを活かす | 顎が小さい場合、抜歯を前提とした設計の方が自然な仕上がりに |
横顔との調和を重視 | Eラインやフェイスラインの見た目も設計段階で考慮 |
このように、「骨格ありきの矯正設計」こそが、
東アジア人にとっての“美しく自然な矯正治療”に欠かせない視点です。
✅ まとめ:「骨格に合ったスマイル」が一番美しい
矯正治療は「歯をきれいに並べる」だけではありません。
“その人の顔立ちに似合う歯並び”をつくることこそが、真のゴールです。
マウスピース矯正は万能に見えて、実は「誰にでも同じ設計でOK」ではありません。
特に私たち東アジア人は、「広げる」より「引き締める」方が魅力的になるケースが多いということを、ぜひ知っておいてください。
📌 もし今、「この矯正、自分に合ってる?」と感じている方は、
あなたの顔立ち・骨格・口元のバランスに本当に合っているか、
一度プロに見てもらうことをおすすめします。
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📚参考文献
Ioi H, et al. “Comparison of smile attractiveness between Japanese and Western populations.” Orthod Waves, 2011.
Sarver DM. “The importance of facial aesthetics in orthodontics.” Am J Orthod Dentofacial Orthop, 2004.
Proffit WR, et al. Contemporary Orthodontics, 6th ed. Elsevier, 2018.
日本矯正歯科学会「東アジア人の顔貌分析と矯正治療の方向性」2022年