
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
矯正すると“声”が変わることがある?
2026年02月14日
― 発音と歯並び・舌の位置の関係 ― 🦷🎙️
「矯正したら声が変わるって聞いたんですが…」
ときどき、こんな質問をいただきます。
結論から言うと――
👉 “声そのもの”が変わることはほとんどありません。
でも、
👉 発音や響きが一時的に変わることはあります。
なぜ発音が変わるの? 🧠
声は、
肺 → 声帯 → 口の中 → 唇
という流れで作られます。
特に重要なのが、舌の位置と歯との距離。
サ行・タ行・ラ行などは、
舌が前歯や上あごに近づくことで、
音がきれいに出ます。
矯正治療では、
・歯の位置が変わる
・前歯の角度が変わる
・マウスピースを装着する
こうした変化が起きるため、
舌の当たり方が一時的に変わることがあります。
マウスピース矯正で多い「話しづらさ」 😬

特に多いのが、
マウスピース矯正を始めた直後の違和感。
・サ行が少しもごもごする
・タ行が出しづらい
・早口が言いにくい
これは、装置の厚みで
舌のスペースがわずかに変わるからです。
でもほとんどの場合、
🗓️ 1〜2週間ほどで脳と舌が順応します。
人の適応力はかなりすごいんです。
ワイヤー矯正でも起こる? 🔧
ワイヤー矯正では、
ブラケットが歯の表側につくため、
舌への影響は少なめです。
ただし、
・前歯の角度が大きく変わる
・出っ歯が改善される
・かみ合わせが深くなる/浅くなる
こうした変化があると、
音の響き方が変わったと感じる人もいます。
でもこれは、
声帯が変わったわけではなく、
口の中の“響きの空間”が変わっただけです。
本当に「声」が変わるケースは? 🎤
まれに、
・極端な出っ歯
・強い開咬
・舌突出癖がある
こうしたケースでは、
矯正後に発音が明瞭になることがあります。
つまり、
「悪くなる」というより
👉 良くなるケースのほうが多いです。
まとめ ✍️
矯正で起こるのは、
✔ 声帯の変化ではない
✔ 発音の一時的な違和感
✔ 響きの空間の変化
ほとんどの場合は、
時間とともに自然に慣れていきます。
むしろ、
舌の位置が整うことで
発音が安定する人も少なくありません。
不安がある方は、
カウンセリング時に職業(接客業・営業・歌など)を伝えておくと、
より丁寧な説明が受けられますよ🙂
参考文献 📚
Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier.
Subtelny JD. The significance of malocclusion in speech. Am J Orthod.
Laine T. Associations between malocclusion and speech sound production. Eur J Orthod.
Runte C et al. Speech articulation in patients wearing dental appliances. J Oral Rehabil.










