
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
インビザラインにも苦手な動きがある?
2025年07月6日
「インビザラインって本当に何でも治せるの?」
「見た目はいいけど、ちゃんと動くのかちょっと不安…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
インビザライン(マウスピース矯正)は多くの歯並びに対応できる優れた治療法ですが、すべての動きが得意なわけではありません。
今回は、インビザラインが苦手とする歯の動きについて、わかりやすくご紹介します。
✅ そもそも、どうして苦手な動きがあるの?

インビザラインは、「マウスピースを少しずつ交換しながら歯を動かす」矯正方法です。
そのため、動かす方向や力のかかり方によって、得意・不得意が生まれるのです。
❌インビザラインが苦手とされる6つの歯の動き
① 強いねじれ(犬歯・奥歯の回転)
→ 歯の根が太く、しっかりしているため動きにくいとくに犬歯(糸切り歯)や大臼歯が大きく回転しているケースは、思ったように動かないことがあります。
② 歯を引っ張り出す「挺出(ていしゅつ)」
→ アライナーは垂直方向の力をかけるのが苦手
とくに奥歯を歯ぐきの上に引っ張り出すような動きは、難易度が高めです。
③ 歯を押し込む「圧下(あっか)」
→ 「歯ぐきに対して歯をめり込ませるような動き」も苦手です。
たとえばガミースマイルを治したいとき、前歯を少し下げたい場合などに限界があります。
④ 重度のがたつき(重度叢生)
→ 歯がかなり重なり合っていると、マウスピースが正しくはまらず、ズレやすくなる
このような場合、抜歯や歯列の広げ方を慎重に検討する必要があります。
⑤ 骨格そのもののズレ(出っ歯・受け口など)
→ 出っ歯・受け口の中でも骨格的なズレが大きいケースでは、歯の移動だけでは限界があります。
外科手術やワイヤー矯正との併用が必要になることもあります。
⑥ 前歯が咬まない「開咬(かいこう)」
→ 舌の癖や骨格が原因で、マウスピースの厚みが逆に開咬を助長することも。
しっかり診断したうえで、ゴムかけなどの補助が必要になります。
💡苦手=できない、ではありません!
ここで大事なのは、「インビザラインでは無理です」という話ではない、ということ。
実際には、
アタッチメントの工夫
ゴムかけの併用
アンカースクリューとの併用
計画の分割(リファイン)
など、工夫や経験によってカバーできる範囲が広がっています。
🤝 得意・不得意を見極めるのは“設計力”
マウスピース矯正は、「AIが自動で動かす」イメージを持たれがちですが、
実際はドクターがどのように設計し、動きをプログラムするかで結果が大きく変わります。
つまり、インビザラインが苦手な動きをカバーできるかどうかは、
“誰がプランニングをするか”が大きなカギなんです。
📚参考文献
Kravitz ND, Kusnoto B, et al. “How well does Invisalign work?” Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2009;135(1):27–35.
Grünheid T, et al. “Evaluation of Invisalign® aligners for tooth movement and patient experience: A systematic review.” Orthod Craniofac Res. 2017.
日本矯正歯科学会. 「アライナー型矯正装置の臨床応用とその限界」矯正歯科ジャーナル, 2021.
✨まとめ
インビザラインには苦手な動きもありますが、それを理解した上で、きちんと設計・対応すれば解決できることも多いです。
「インビザでできるか不安…」という方も、まずは正確な診断と説明を受けてから判断されるのがおすすめです😊
ご不安なことがあれば、ぜひお気軽にご相談くださいね!









