
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
🦷「抜歯矯正=顔がこける」は本当?——エビデンスで検証!
2025年06月28日
矯正治療でよく聞く「抜歯をすると顔がこける…」という不安。
これは、昔からある“定説”ですが、実はエビデンスではっきり答えが出ています。

① 顔がこける=“フラットな横顔”の真相とは?
あるシステマティックレビューでは、抜歯すると、リップが少し後退して横顔が平坦になる傾向はあるものの、見た目としては許容範囲内と結論づけられています
ただし、過度な切歯後退が起こると、リップサポートが失われて“顔がこけたよう”に見えるケースもありとの指摘もあります。
② 非抜歯 vs 抜歯——どっちが美しい?
『Angle Orthodontist』(2000年)の調査では、抜歯群は平均でリップが1.8 mm後退、しかし多くのパネル(歯科医も一般人も)は 抜歯後の横顔をむしろ好ましいと評価
顔が平らになったという人も全体の4%程度で、それ以外はほぼ差がないか改善されたケースもありました。
③ 「抜歯すると平坦化する」は時代遅れ?
英国のレビューでは、非抜歯・抜歯の差よりも、加齢による変化や設計・力のかけ方(メカニクス)が横顔に与える影響のほうが大きいと指摘されています。
実際、同じ抜歯でも診断・力の加え方次第で顔の変化は大きく変わるとの記述もあります。
💡プロ目線まとめ:抜歯矯正の真実と注意点
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 抜歯は顔に影響ある? | はい、リップ後退や平坦化の傾向はあります。ただし「顔がこける」と感じる人はごく少数。 |
| 見た目はマイナス? | 多くのケースでは美的評価は悪くならず、むしろ好まれることも。 |
| なんで差が生じる? | 患者の元々の顔・歯の「突出具合」、抜歯後の設計・力のかけ方がカギ。 |
| カンタンに判断できる? | × ではなく、**精密な診断+治療計画(リップサポートやE-プレーン考慮)**が重要。 |
✅患者さんへの伝え方・アドバイス例
「抜歯=顔がこける」は“すべての人に当てはまる”わけではありません。
エビデンスも「抜歯そのものより、治療のやり方が結果を左右する」と支持しています。
🔎追加リファレンス案(ブログ末尾に)
Bowman & Johnston, Angle Orthodontist(2000年):「抜歯治療は横顔を平均1.8 mm平坦化。多くの人がより良いと評価」angle-orthodontist.kglmeridian.com
Kevin O’Brienシステマティックレビュー:「抜歯・非抜歯の差はエステティックにほとんど影響しない」
Dentistry.co.uk(2024年):「横顔変化は抜歯より成長・診療設計に依存。差は小さい」sciencedirect.com









