
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
【歯科医師監修】歯が足りない(欠損歯がある)状態でもマウスピース矯正はできる?疑問や治療の流れを徹底解説!🦷
2026年06月22日
「昔、虫紙や歯周病で奥歯を抜いてしまった…」
「歯医者さんで、生まれつき永久歯が1本足りない(先天性欠損)と言われた…」
「ケガで前歯を失ってしまったけれど、同時に歯並びも綺麗にしたい…」
このように、お口の中に欠損歯(けっそんし:歯が足りない状態)」を抱えている方は、実は決して少なくありません🙄
歯が足りない部分があると、マウスピース矯正(インビザラインなど)を受けたくても、「マウスピースがしっかりはまらないのでは?」
「歯を動かす支えがないから無理なのでは?」と不安になってしまい、矯正治療を諦めてしまう方が非常に多いのが現状です👨⚕️
しかし、結論から申し上げますと、歯が足りない状態(欠損歯がある状態)であっても、マウスピース矯正は十分に可能です!✨
それどころか、マウスピース矯正の特性を活かすことで、歯がないスペースを有効活用し、
お口全体の健康と美しさを取り戻す素晴らしいきっかけになることも多いのです🌿
今回は、欠損歯がある場合のマウスピース矯正について、なぜ治療が可能なのかという理由から、
具体的な3つの治療アプローチ、治療の流れ、費用や期間の目安、そして知っておくべき注意点まで、
専門的な視点からどこよりも詳しく解説していきます!
1. そもそもなぜ?欠損歯があってもマウスピース矯正ができる理由💡
「歯がないスペースがあるのに、どうやって全体の歯を動かすの?」
と疑問に思うのは当然のことです。まずは、欠損歯があってもマウスピース矯正が成立する理由について解説します。
理由①:歯を「面」で包み込んで、全体を均一にコントロールできるから
従来のワイヤー矯正(ブラケット矯正)は、歯の一本一本にボタンのような装置をつけ、
そこにワイヤーを通して「点」や「線」で引っ張る治療法です。
そのため、歯が抜けている場所があると、ワイヤーを渡す距離が長くなり、設計が複雑になることがありました👀
一方、マウスピース矯正は、歯列全体をすっぽりと透明なプラスチックのシートで包み込みします。
歯の表面全体(面)に対して、持続的かつ緩やかな力を均一にかける仕組みになっているため、
特定の場所に歯がなくても、残っている健康な歯を安全かつ正確にコントロールして動かすことができるのです✨
理由②:デジタル技術(3Dシミュレーション)で事前の緻密な計算ができるから
現代のマウスピース矯正(特にインビザラインなど)の最大の強みは、
「クリンチェック」と呼ばれる高度な3D治療シミュレーションソフトを使用することです。
治療を開始する前に、患者様のお口の中を最新の光学スキャナー(iTeroなど)で撮影し、
コンピューター上で「どこの歯を、どのタイミングで、どの方向に、何ミリ動かすか」を視覚的にシミュレーションします。

このシミュレーションがあるからこそ、「歯がないスペース」をどのように扱い、
最終的にどんな噛み合わせに落とし込むかを、治療開始前にミリ単位で確定させることができます。
行き当たりばったりの治療にはならないため、欠損歯という特殊な症例でも安全に治療が進められるのです。💻
2. 欠損歯がある場合のマウスピース矯正:3つの治療アプローチ手法 🛠️

お口の中に足りない歯がある場合、マウスピース矯正では主に以下の3つのいずれかのアプローチを選択します。
患者様のご希望や、骨・歯並びの状態に合わせて最適な方法を決定します。
アプローチ①:歯がないスペースを矯正で完全に「閉じる」
もし欠損しているのが「前歯のわずかな隙間」であったり、「親知らずの手前の奥歯(第一大臼歯や第二大臼歯)」
であったりする場合、残っている他の歯を少しずつ移動させて、
歯が足りないスペースを完全にきれいに閉じてしまう(隙間をゼロにする)という方法です👨⚕️
⭐この方法のメリット
これが成功すれば、将来的にインプラントやブリッジ、部分入れ歯といった「人工の歯(義歯)」を補う必要がなくなります。
すべてご自身の天然の歯だけで正しい噛み合わせを作ることができるため、
「一生自分の歯だけでしっかり噛める」「将来的な義歯のメンテナンス費用や身体への負担を完全に排除できる」
という、非常に大きなメリットがあります。👍
👪どんな人に向いている?
比較的年齢が若く、歯や骨が健康で、動かす距離が許容範囲内である場合や、
親知らずが残っていてそれを代わりに活用できる場合などに適しています。
アプローチ②:将来インプラントなどを入れるための「適切なスペースを整える」

歯が抜けた状態を何ヶ月、何年も放置していると、人間の体は空いたスペースを埋めようとするため、
「両隣の歯が隙間に向かって斜めに倒れ込んでくる」「噛み合う対面の歯が伸びてくる(挺出:ていしゅつ)」という現象が起こります。
この状態になってしまうと、いざ「インプラントを入れたい」「ブリッジを作りたい」と思っても、必要なスペースが足りず、
そのままでは人工の歯を入れることができません。
そこで、マウスピース矯正の出番です!マウスピースを使って、傾いてしまった両隣の歯を起こし(アップライト)、
本来あるべき正しい位置へと戻します。 そして、インプラントやブリッジを綺麗に入れるための「完璧なスペース」を作り直すのです🦷
⭐この方法のメリット
土台となる全体の歯並びと噛み合わせを美しく整えてからインプラント治療を行うことで、
人工歯にかかる力のバランスが均等になります。
結果として、インプラントの寿命(持ち)がグッと長くなり、将来的な再治療のリスクやトラブルを大幅に減らすことができます。
お口全体の寿命を延ばすために、非常に価値のあるアプローチです😊
👪どんな人に向いている?
大人の患者様で、すでに歯が抜けてから長期間が経過しており、周囲の歯が動いてしまっている方に多く適用されます👨⚕️
アプローチ③:親知らずを移動させて欠損した歯の代わりにする(歯列の再編成)
例えば、奥歯が1本虫歯などで失われてしまっている一方で、
そのさらに奥に健康な「親知らず」が眠っている(または生えている)ケースがあります。
この場合、マウスピース矯正によって親知らずを前方にググッと移動させ、
失った奥歯のポジションに身代わりとして配置するという高度な治療を行うことができます🌿
⭐ この方法のメリット
本来であれば抜歯の対象になりやすい親知らずを「一等賞の現役の歯」として蘇らせることができるため、
インプラントなどの高額な外科手術を回避しつつ、天然の歯の数を維持することができます。
👪どんな人に向いている?
親知らずの形が綺麗で、根っこ(歯根)が健康であり、
移動させるための骨の幅が十分に確保されている方に適しています🙄
3. 治療中の「歯がない部分」はどうなる?ポンティック機能の活用 📷
「前歯が足りない状態で矯正を始めたら、マウスピースをつけている間、間抜けな隙間が見えてしまうのでは…?」
と、見た目の審美性を心配される方がとても多いです。
接客業や営業職の方、イベントを控えている方にとっては、死活問題ですよね😱
ですが、どうぞご安心ください!
マウスピース矯正には、「ポンティック機能」と呼ばれる、見た目を美しくカバーする仕組みが備わっています🦷
具体的には、お作りする透明なマウスピースの「歯がない(欠損している)部分」に対して、
あらかじめご自身の歯に近い白さや色をつけて、まるでそこに歯があるように見せることができます。
マウスピースをカチッとお口に装着すると、色がついた部分が隙間をピタッと覆い隠すため、
外見からはまるで本物の歯がそこに生えているかのように自然に見えるのです。✨
これにより、治療期間中であっても周囲に矯正治療中であることや、歯が足りないことを気づかれることなく、
普段通りに思いっきりの笑顔で過ごすことができます。
これは、ワイヤー矯正ではなかなか難しい、マウスピース矯正ならではの非常に大きなストレスフリーな強みと言えます。
4. 欠損歯がある状態でマウスピース矯正を成功させるための4つの注意点 ⚠️
欠損歯があってもマウスピース矯正は十分に可能ですが、お口の環境が通常とは異なるため、
より安全で確実な結果を得るために必ず知っておいていただきたい重要な注意点が4つあります。
注意点①:あごの骨(歯槽骨)の量と歯周病の状態チェックが不可欠
歯が動くというのは、実は「歯が骨の中を溶けながら進み、後ろ側に新しい骨が再生される」
という、骨の代謝仕組みを利用しています。
歯が抜けたまま長期間が経過している場所は、刺激が伝わらないため、あごの骨(歯槽骨)が退縮して(痩せて)薄くなっていることが多々あります。
また、重度の歯周病によって骨が溶けてしまっているケースもあります。
骨の量が著しく少ない場合や、活動性の高い歯周病がある場合は、
無理に歯を動かすと残っている健康な歯までグラグラになってしまうリスクがあるため、
事前の精密検査(レントゲンや3D-CT撮影)による正確な骨の診査が絶対に欠かせません。
注意点②:すでに「ブリッジ」や「インプラント」が入っている場合
お口の中に、すでに欠損歯の治療として「ブリッジ(両隣の歯を削って繋いだ被せ物)」や「
インプラント」が入っている場合は、少し特殊な対応が必要になります。
🦷ブリッジがある場合
ブリッジは複数の歯が強固に繋がっているため、そのままでは個別に歯を動かすことができません。
矯正治療を始める前に、一度ブリッジを中央で切断(分割)するか、
仮の歯(プロビジョナルレストレーション)に置き換えてから、それぞれの歯をバラバラに動かしていく必要があります。
🦷インプラントがある場合
インプラントは天然の歯と違って「骨と完全に結合(インテグレーション)」しているため、
矯正治療で動かすことが一切できません。
したがって、インプラントを「絶対に動かない固定源(アンカー)」として利用し、
それ以外の天然の歯を綺麗に並べるという緻密な治療計画を立てる必要があります🌿
注意点③:通常の症例よりも「歯科医師の高度な診断力」が求められる
欠損歯がある症例は、歯の数が揃っている通常の矯正治療に比べて、
歯にかかる力のベクトルや全体の噛み合わせのバランスの計算が非常に複雑になります📝
インビザラインなどのマウスピース矯正は、誰が治療しても同じ結果が出るわけではありません。
コンピューターが作った初期のシミュレーションを、人間の歯科医師がどれだけ解剖学的に正しく修正・カスタマイズできるか」
によって、治療の成否が180度変わります。
そのため、必ず経験豊富で、お口全体を総合的に診られるクリニックを選ぶことが大切です。

注意点④:治療期間や費用が通常と異なる場合がある
スペースを完全に閉じる治療を行う場合、歯を移動させる距離が長くなるため
通常の全体矯正よりも治療期間が長くなる傾向があります。
また、最終的にインプラントやブリッジを併用する場合は、矯正費用とは別にそれらの義歯治療の費用が発生するため、
トータルの予算を事前によく確認しておく必要があります。
5. 欠損歯マウスピース矯正の一般的な「費用」と「期間」の目安 💰⏳
欠損歯がある場合のマウスピース矯正にかかる期間や費用は、選択するアプローチ
(歯がないスペースを閉じるか、それとも将来の義歯のためにスペースを作るか)によって大まかに異なります。
患者様のお口の状態によって変動しますが、一般的な目安は以下の通りです👨⚕️
歯のスペースを「閉じる」アプローチを行う場合
歯を移動させる全体の距離が長くなるため、通常の矯正治療に比べて少し期間が長くなる傾向があります。
治療期間の目安はおおよそ2年〜3年半程度です🦷
費用の目安としては、お口全体を動かす全体矯正の場合、約80万円〜130万円ほどとなります。
将来のインプラント等の「スペースを作る」アプローチを行う場合
倒れ込んだ両隣の歯を起こすなど、必要な分だけピンポイントに歯を動かしていくことが多いため、
比較的スムーズに進むことが多いです。
治療期間の目安はおおよそ1年〜2年程度です🦷
費用の目安としては、全体矯正で約70万円〜130万円ほどとなります
(※ただし、矯正完了後に別途行うインプラントやブリッジの治療費用が必要となります)。
※どちらのアプローチであっても、治療期間中は約1〜2ヶ月に1回のペースで定期的に通院していただき、
歯の動きのチェックと次のマウスピースの受け取りを行っていただきます。
お口の未来を総合的に守るために、まずはご相談ください 🌟
結論として、欠損歯(歯が足りない状態)があっても、マウスピース矯正は十分に可能ですし、
むしろ放置して噛み合わせが崩壊していくのを防ぎ、お口全体の将来の健康を守るために、今すぐ始めるプラスのメリットが非常に多い治療です
当院は、単に「歯並びを綺麗に並べる」だけの矯正専門医院ではありません
失ってしまった歯に対して、将来的にどのようなインプラントやブリッジを組み合わせれば、見た目も美しく、一生涯しっかり噛めるようになるのかという**『お口全体の総合的なゴール』を見据えた、包括的な治療計画をご提案できるのが強み**です。
「私のこのスカスカの歯並びでも、本当にマウスピースで治るのかな…?」
「他院で『歯がないから無理』って断られてしまった…」
と、一人で悩む必要はありません。まずは一度、名古屋市の中村区・西区の皆様に親しまれている「名古屋西矯正歯科クリニック」の無料カウンセリングへお気軽にお越しください。
あなたの笑顔とお口の健康を守る一番ベストな方法を、私たちが親身になって一緒に考えていきます。🤝
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【参考文献】
日本矯正歯科学会「矯正歯科治療のガイドライン」
American Association of Orthodontists (AAO) – “Adult Orthodontics: What to Expect”
インビザライン・ジャパン株式会社 臨床供覧・治療計画策定ガイドライ









