
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
矯正中に“歯が揺れる”のは大丈夫?歯が動く仕組みと注意すべきサインを解説
2026年03月6日
「矯正を始めたら、歯がグラグラしてきた…」
「このまま抜けてしまうのでは?」
矯正治療中の患者さんから、よく聞かれる不安のひとつが
“歯の揺れ”です。
結論からお伝えすると、
👉 矯正中に歯が少し揺れるのは、基本的に正常な反応です。
むしろ、歯が動く過程では自然に起こる現象です。

ただし、
注意が必要なケースもあるため、正しく理解しておくことが大切です。
今回は
矯正中に歯が揺れる理由
どのくらい揺れるのが普通なのか
危険な揺れのサイン
について、歯科医の視点からわかりやすく解説します。
矯正で歯が揺れる理由
歯は骨に直接くっついているわけではありません。
歯と骨の間には
👉 歯根膜(しこんまく)
というクッションのような組織があります。
矯正治療では、
1️⃣ 歯に力をかける
2️⃣ 歯根膜が圧迫される
3️⃣ 骨が吸収される
4️⃣ 新しい骨が作られる
という骨のリモデリングによって歯が動きます。
この過程では
👉 歯を支える骨が一時的にゆるむ
ため、
歯が少し揺れるように感じるのです。
つまり、
歯が揺れる=歯が動いている証拠
とも言えます。
どのくらいの揺れなら正常?
矯正中の歯は
👉 0.5〜1mm程度の動揺
が見られることがあります。
この程度であれば
✔ 痛みが強くない
✔ 噛める
✔ 腫れがない
場合、基本的に問題ありません。
特に
ワイヤー調整後
新しいマウスピースに交換した直後
などは、揺れを感じやすいタイミングです。
注意が必要な歯の揺れ
一方で、次のような症状がある場合は
注意が必要です。
強く揺れる
歯が大きくグラグラする場合は要注意です。
原因として
歯周病
強すぎる矯正力
外傷
などが考えられます。
歯ぐきの腫れや出血
歯ぐきが腫れている場合、
👉 歯周炎の可能性があります。
矯正中は装置の影響で
プラークが溜まりやすくなる
ため注意が必要です。
噛むと強い痛みがある

噛んだときに👉 ズキッとした強い痛みがある場合は、
咬合の問題
歯の炎症
などの可能性があります。
気になる場合は早めに歯科医院に相談しましょう。
矯正中の歯を守るために大切なこと
歯の揺れを悪化させないために、
次のポイントを意識しましょう。
丁寧な歯磨き
矯正装置の周りは汚れが溜まりやすくなります。
👉 歯周炎予防が最も重要です。
硬い食べ物を避ける
矯正中は
せんべい
氷
フランスパン
などは注意が必要です。
強い力がかかると
歯の動揺が強くなる可能性があります。
指示された装置を守る
特に
マウスピースの装着時間
顎間ゴム
などを守らないと、👉 歯に余計な負担がかかる
ことがあります。
矯正中の歯の揺れは「普通」のこと
矯正治療では、
👉 歯を動かす
👉 骨を作り直す
という生体反応が起こります。
そのため
歯が少し揺れるのは自然なことです。
ただし、
強い揺れ
痛み
歯ぐきの腫れ
などがある場合は
早めに歯科医院でチェックを受けることが大切です。
矯正治療は、
歯と骨のバランスを見ながら進める繊細な治療です。
不安なことがあれば、遠慮せず相談しましょう。
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参考文献
Proffit WR, Fields HW, Sarver DM.
Contemporary Orthodontics. 6th ed. Mosby; 2018.
Krishnan V, Davidovitch Z.
Cellular, molecular, and tissue-level reactions to orthodontic force.
American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics. 2006.









