
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
抜歯したのに口ゴボ感が残るのはなぜ? ― 矯正が失敗とは限らない理由 ― 🦷✨
2026年01月6日
抜歯したのに口ゴボ感が残るのはなぜ?
― 矯正が失敗とは限らない理由 ― 🦷✨
「抜歯までしたのに、
思ったより口元が引っ込んでいない気がする…」
矯正治療後、こう感じる方は実は少なくありません。
でもまず知っておいてほしいのは👇
👉 抜歯した=必ず口ゴボが治る、ではない
👉 それは失敗とは限らない
ということです。
① 下げられる“限界”がもともとあった 🦴
歯は、どこまでも自由に動かせるわけではありません。
歯は歯槽骨という骨の中を移動します。
そのため、
・骨の厚みが薄い
・歯がすでに骨の前方ギリギリにある
・歯根が短い
こうした場合、
それ以上下げると歯根吸収や歯茎退縮のリスクが高くなります😵💫

結果として、
「これ以上は下げない方が安全」という位置で
治療が止まることがあります。
② 歯は下がっているけど「印象」が変わりにくい 🙂
実はこれ、かなり多いケースです。
歯科的には
🦷 前歯はしっかり後方移動している
🦷 かみ合わせも安定している
それでも、
・唇が厚め
・口周りの筋肉が強い
・骨格的に前方成分がある
こうした要因があると、
見た目の口ゴボ感が残って見えることがあります。
これは「歯の問題」ではなく、
顔立ち全体のバランスの問題です🌿
③ 「下げすぎない」治療を選んだ結果 🌱
最近の矯正治療では、
・老け顔にならない
・横顔が不自然にならない
・唇の張りを残す
といった理由から、
あえて下げすぎないゴールを設定することがあります🦷
一時的な「引っ込み感」より、
将来まで自然に見えることを優先した結果、
「思ったより下がっていない」と感じることもあります。
④ 抜歯スペースの一部が別の目的に使われた ⚖️
抜歯でできたスペースは、
すべてが「前歯を下げるため」に使われるとは限りません。
たとえば、
・歯のガタつきを整える
・かみ合わせを安定させる
・歯の傾きを改善する
こうした目的にスペースが使われると、
口元の変化が控えめになることがあります。
⑤ そもそも「口ゴボ」の原因が歯だけではなかった 🧠
口ゴボは、
🦷 歯の位置
🦴 骨格
🙂 唇・筋肉
これらが組み合わさって生じます。
そのため、
歯だけを動かしても限界があるケースも存在します。
この場合、矯正自体は成功していても、
期待していた変化とのギャップが生まれやすくなります😵💫
まとめ ✍️
抜歯したのに口ゴボ感が残る理由は、
✔ 骨や歯根の安全な限界があった
✔ 歯は下がっているが印象が変わりにくい
✔ 下げすぎないゴールを選択した
✔ スペースの使い道が分散した
✔ 口ゴボの原因が歯だけではなかった
というケースがほとんどです。
大切なのは、
「どれだけ下がったか」ではなく「歯を守りながら、自然に整っているか」。
もし気になる場合は、
治療前後の資料や検査結果を見ながら
「どこまで動かせたのか」を確認してもらうと、
納得しやすくなります🙂
参考文献 📚
Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier.
Garib DG et al. Alveolar bone limits and orthodontic treatment. Angle Orthod. 2010.
Brezniak N, Wasserstein A. Orthodontically induced inflammatory root resorption. Am J Orthod Dentofacial Orthop.
Sarver DM. Soft tissue considerations in orthodontic diagnosis and treatment planning. Am J Orthod Dentofacial Orthop.










