- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、ＵＣＬＡカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
“口ゴボ”を治すには、やっぱり抜歯が必要？😱🦷
2025年10月5日
矯正治療の選び方と後悔しない判断ポイント
「横顔がもっこりして見える…」「口が閉じづらい」「Eラインから口元がはみ出してる」
——そんなお悩みの原因、もしかすると“口ゴボ”かもしれません🦷
今回は、口ゴボ（上下の唇や歯列全体が前に出て見える状態）の治療方法と、
「抜歯が必要かどうか」の見極めポイントについて、矯正専門の立場から解説します✨
✅ そもそも“口ゴボ”とは？
「出っ歯」と混同されがちですが、口ゴボは単に前歯が出ているだけでなく、
歯列全体や顎の骨格が前方に出ている状態です。
見た目だけでなく、以下のような悩みにもつながります💁♀️
口が閉じにくい（口唇閉鎖不全）
いつも口が開いている（口呼吸になりやすい）
無意識のときに上下の唇がぽかんと開いてしまう
「なんとなく間の抜けた表情」と言われる
🦷 治すには抜歯が必要？
抜歯が必要な場合
顎のスペースが足りない（歯が引っ込む余地がない）
上下の前歯をしっかり引っ込めて横顔のラインを整えたい
重度の叢生（がたがたな歯並び）がある
横顔のEライン（鼻先とアゴを結んだライン）よりも大きく唇が前に出ている
▶ 歯を4本抜いて奥に引っ込める設計になることが多いです。
見た目の大きな変化が得られますが、しっかりとした診断と計画が必要です。
非抜歯でも可能な場合
軽度の口ゴボ
歯列の拡大や遠心移動（奥にずらす）でスペース確保ができる
側貌の変化よりも“歯並び重視”の希望が強い
顎が小さくて抜歯すると顔がこけてしまうリスクがある
🧐 抜歯 or 非抜歯の判断ポイント
| 比較項目 | 抜歯矯正 | 非抜歯矯正 |
|---|---|---|
| 横顔の改善度 | ◎ 大きく改善できる | △ 軽度な変化のみ |
| 顔のバランス | 顎や頬のバランスを慎重に見る必要あり | 元の骨格を活かしやすい |
| 歯を並べるスペース | スペースがしっかり確保できる | 拡大・遠心移動に限界あり |
| 治療期間 | やや長めになることも | 短く済む場合あり |
| リスク | 頬がこける/老けて見えることも | 後戻りしやすいことも |
💡 「後悔しない治療」のために大切なこと
理想の見た目だけで決めない！：機能や骨格とのバランスも重要です。
ドクターとのカウンセリングを重視：シミュレーション画像や横顔の分析をもとに判断しましょう。
「引っ込めれば美人になる」は危険な思い込み：無理な設計は老け顔や表情の不自然さにつながります。
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自分にとって「抜歯がいいのか、非抜歯でいけるのか」は、実際の歯並び・骨格・横顔を見ないと判断できません。
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🧾 参考文献
Kim YH, et al. “Extraction vs non-extraction treatment in orthodontics.” Am J Orthod Dentofacial Orthop.
Sarver DM. “Soft-tissue contributions to esthetic profile.” Am J Orthod Dentofacial Orthop.
Yamaguchi H. “Facial profile improvement with orthodontic treatment: a comparison between extraction and nonextraction cases.” J Orthod Sci.
