
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
🦷歯列矯正が“今はできない人”の特徴とは?
2025年07月22日
「歯並びが気になって、そろそろ矯正したいな」
「SNSで矯正してる人を見て、自分もやってみたい」
そんな気持ちで歯科に相談に行ったのに、「今はまだ矯正できません」と言われて驚いたことはありませんか?😊
実は、歯列矯正は「誰でも今すぐ始められるもの」ではありません。
歯を動かしていく前に整えておくべき“土台”があるからです☝️
今回は、そんな“矯正が今はできない人”の特徴と、その理由について詳しくお話しします。
なぜ「今はできない」と言われるの?
矯正治療は、ただ歯を動かせばいいわけではありません。
歯を動かすことで周囲の歯ぐき、骨、かみ合わせ、顎関節まで影響します。
つまり、歯が「安全に動かせる状態」でなければ、
矯正治療がむしろリスクになってしまうことも。
そのため、今の状態が矯正に適しているかどうかを見極めるのがとても重要なのです。
❌「今すぐ矯正ができない人」の代表例

① 進行中の歯周病がある
歯を支える“歯槽骨”が炎症で溶けてしまう歯周病。
この状態で歯を動かすと、グラグラになってしまい、最悪抜歯に至るリスクも。
矯正治療は、あくまで健康な歯周組織があってこそ成立するもの。
矯正を希望する前に、歯周病のコントロールが第一です😊
② 虫歯が治療されていない
矯正中は、装置が邪魔で普段よりも歯磨きがしにくくなるため、虫歯が悪化しやすい状態に。
しかも、虫歯の進行によって神経の炎症や痛みが出た場合、装置を一部外して治療し直す必要も。
これは治療の中断や遅延に繋がります。
虫歯がある場合は、先に治療してから矯正を始めるのが基本です。
③ 顎関節症が重度の場合
顎が「カクカク音がする」「開けにくい」「痛い」といった症状を抱えている方は要注意。
かみ合わせの調整が不安定なまま矯正を始めると、さらに顎関節に負担がかかり、症状が悪化する可能性があります。
一度、スプリント治療(マウスピース)や理学療法で顎の安定を図るのが一般的です。
④ 骨が薄い・歯が埋伏している・過剰歯がある
レントゲンやCTを撮ってみると、「思っていたより骨が薄い」「歯が完全に歯ぐきの中に埋まってる」「余分な歯がある」など、矯正にとってハードルとなる条件が見つかることがあります。
こういった場合には、外科的な処置や治療計画の再構築が必要。
しっかりと診断・説明を受けて、無理なく進められる方法を一緒に考えることが大切です。
⑤ 抜歯や親知らずの処置が先に必要な場合
矯正治療において、「歯を並べるスペースを作る」ために抜歯を行うケースもあります。
また、親知らずが横向きに生えていたり、炎症を起こしていたりする場合は、矯正前に抜いておくことが推奨されることも。
抜歯後は数週間〜1ヶ月程度の回復期間をおくため、すぐには矯正を開始できません🤔
✅ じゃあ「矯正できない人」はどうすればいい?
矯正を今すぐ始められないと聞くと、
「えっ…もう無理なの?」と思ってしまうかもしれません。
でもご安心を。
これらは“永遠にできない”のではなく、準備が必要なだけです🦷
矯正前の準備ステップ
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1 | 歯周病や虫歯をしっかり治療する |
| 2 | 顎関節症がある場合はスプリント治療で様子を見る |
| 3 | CTなどで歯や骨の状態を詳しく調べる |
| 4 | 抜歯や親知らずの処置が必要なら先に行う |
| 5 | 口腔内の環境が整ってから、矯正の治療計画を立てる |
💬ドクターからのひとこと
矯正治療の成功は「準備8割、動かすの2割」と言われるほど、スタート前の整備が大切です🤔
焦らず、着実に準備をしていけば、理想の歯並びは必ず手に入ります✨
📚参考文献
Proffit WR, Fields HW, Larson B, Sarver DM. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier; 2018.
Papageorgiou SN, et al. “Periodontal health outcomes following orthodontic treatment.” Progress in Orthodontics. 2017.
American Association of Orthodontists. “Orthodontics and Periodontal Health.” https://www.aaoinfo.org









