
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
🦷矯正で口が閉じにくい…これって大丈夫?
2025年07月20日
〜治療中によくある“口唇閉鎖不全”の正体〜
「マウスピースを入れてから口が閉じにくい」
「いつもより口元がポカンと開いてしまう…」
矯正治療中のこんなお悩み、実はよくあることです。
今回は、矯正中に“口が閉じにくくなる”原因と、その対処法についてわかりやすく解説していきます💡

✅“閉じにくい”は異常じゃない!まずはよくある原因3つ
① アライナーの厚みで「いつもと感覚が違う」
マウスピース矯正(インビザラインなど)では、
歯全体に0.5mm前後の厚みのアライナーが装着されます。
それによって:
唇が少し前に押し出される
口を閉じる筋肉がふだんより伸ばされる
…結果として、「うまく閉じられない」「無意識で口が開いてしまう」ように感じることがあります。
📌 この場合、時間とともに慣れてくることがほとんどです。
② 歯の位置が変わる途中で“かみ合わせ”が不安定に
矯正治療では、歯の位置が日々少しずつ動いていきます。
移動の途中段階では:
前歯の傾きが変わり、唇が閉じづらくなる
奥歯の高さが一時的に変化して、下顎の位置がずれる
ということも起こります。
🦷 これも「一時的なバランスの崩れ」であることが多く、治療が進むと自然に改善されます。
③ 無意識のストレスや「違和感による力み」
「ちゃんと閉じなきゃ」「見た目がおかしくないかな」と意識しすぎることで、
無意識に唇やアゴ周りの筋肉が緊張してしまい、かえって自然に閉じられなくなることも。
これはいわば、“心理的な口唇閉鎖不全”とも言える現象。
装置に慣れてきたり、口元の感覚が変化してきたりすると落ち着いてきます。
✅こんなときは要チェック!注意が必要なケース
以下のような症状がある場合は、一度担当医に相談してみましょう:
唇が完全に閉じられず、乾燥や痛みが続く
「前より悪化している感じがある」
睡眠時も口が開いていて乾燥する/いびきが増えた
顎がだるい、関節に違和感が出てきた
📸 写真や動画で記録しておくと、変化の共有に役立ちます!
✅対処法・セルフケアのヒント
✔ 唇のストレッチやトレーニング(例:口すぼめ体操、口輪筋トレ)
✔ 口テープの使用(就寝時)※医師に相談を
✔ 乾燥対策にリップクリームを忘れずに
✔ 一時的な不安感は、医師に伝えて安心するのが一番!
💬まとめ:「閉じにくさ=失敗」ではありません!
矯正治療中に「なんか口が閉じにくい…」と感じても、
それは一時的な変化に対する体の適応反応であることがほとんどです。
特にマウスピース矯正では:
物理的な“厚み”
歯の移動途中のアンバランス
筋肉の違和感
こうしたものが重なることで、一時的に不自然に感じるのはむしろ“あるある”な現象。
🪄とはいえ、「これって普通?」「変じゃない?」と思ったら、
遠慮せずに矯正歯科に相談してくださいね😊
📚参考文献
Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier; 2019.
― 矯正中の口唇閉鎖機能とその変化についての記述あり。Okuro K et al. “Influence of labial morphology and lip-closing strength on oral competence in orthodontic patients.” Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2011;140(1):98-104.
― 口唇閉鎖不全と筋力・形態の関係について研究した論文。谷口威夫. 「矯正治療中の一時的な口唇閉鎖不全の理解と対応」. 日本臨床矯正歯科ジャーナル. 2018;26(4):42-47.









