
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
🦷「抜歯 or 非抜歯」どっちが正解?判断を分ける3つのポイント
2025年07月14日
「できれば抜きたくない…」「でも本当に非抜歯で大丈夫?」

矯正相談で多くの患者さんが悩むのが「抜歯か、非抜歯か」という選択です。
どちらにもメリット・デメリットがあるからこそ、 “なんとなく”の選択はNG😣
では、矯正医はどんなポイントを見て「抜歯 or 非抜歯」を判断しているのでしょうか?
今日はその判断を分ける3つの重要ポイントを、やさしく解説します🪄
✅1. 顎のスペースは足りてる?「歯列と骨格のバランス」
まず1つ目のポイントは、歯の大きさと顎のスペースのバランスです。
🦷 歯並びがガタガタしている人は、そもそも「歯が並ぶスペースが足りていない」ことが多いです。
その場合、以下の方法でスペースを確保する必要があります:
歯列全体を拡げる(拡大)
歯を後方に移動させる(遠心移動)
歯のサイズを削る(IPR)
そして 抜歯(第一小臼歯が一般的)
📝 ただし、骨格的に拡大や遠心移動に限界がある場合や、無理に並べると口元が前に出すぎてしまう場合は、抜歯が選ばれることが多くなります。
✅2. 横顔のバランスは?「口元の突出感(リッププロファイル)」
2つ目のポイントは、見た目のバランス、とくに横顔。
患者さんの中には、
「歯並びだけじゃなくて、口元もスッキリさせたい」
という希望を持つ方も多いですよね🦷
👄 その場合は、歯を内側に引っ込める(後退させる)必要が出てくることも。
非抜歯だと前方に押し出す形になるため、
✔️ 口元が余計に前に出てしまう
✔️ Eライン(鼻先とアゴを結んだライン)から唇がはみ出る
という問題が起きやすくなります。
📌 逆に、すでに口元が引っ込んでいる人に抜歯をしてしまうと
→「老け顔」や「貧相な顔つき」になるリスクもあるので要注意!
✅3. 噛み合わせのタイプは?「上下の位置関係と咬合のバランス」
3つ目のポイントは、噛み合わせのタイプとそのズレの程度📝
例えば:
| 噛み合わせのタイプ | 抜歯の傾向 |
|---|---|
| 上顎前突(出っ歯) | 上の歯を引っ込めたい → 抜歯が選択されることも |
| 下顎前突(受け口) | 下の歯を後退させるために抜歯することも |
| 過蓋咬合や開咬 | 非抜歯で垂直的なコントロールを優先するケースも |
ただし、歯の移動方向(引っ張る?押す?)や治療後の安定性も踏まえて判断されます🦷
💡まとめ:「抜歯か非抜歯か」は“好み”ではなく“戦略”
患者さんが「抜かずに済ませたい」と願う気持ちは当然です。
でも、無理に非抜歯で治療すると…
歯並びはキレイだけど、口元がもっこりしてしまう
噛み合わせが不安定になる
後戻りしやすくなる
…といった問題が起こることも。
👨⚕️ 矯正医は、単に「歯をキレイに並べる」だけでなく
・見た目のバランス
・噛み合わせの機能性
・治療後の安定性
をすべて考えた上で、「抜歯 or 非抜歯」を決めています☝️
質問、ご相談はこちらから!!😊✨
📚参考文献
Proffit WR, Fields HW, Larson BE, Sarver DM. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier; 2019.
Houston WJ, Stephens CD, Tulley WJ. A Textbook of Orthodontics. Wright; 1992.
三浦不二夫. 「抜歯と非抜歯治療の判断基準」. 日本矯正歯科学会雑誌 2005;64(4):276-283.
小野卓史. 「矯正治療における口元の審美的評価」. 日本臨床矯正歯科ジャーナル 2017.









