
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
🦷サージェリーファーストとインビザライン
2025年07月7日
🦷サージェリーファーストとインビザライン
下顎前突に対する最新アプローチ
下顎が前に出ている” 下顎前突 “は、審美性だけでなく機能面でも問題を抱えるケースが多く、ただの短期的な歯列の修正だけでは改善が困難な場合もあります。骨格的な要因が関与しているため、抜歯やブラケットによる矯正だけでは限界があることも。
そんな中で、最近注目されているのが サージェリーファースト法 と インビザラインを組み合せた方法 です。


⚡️ サージェリーファーストとは
サージェリーファースト(Surgery First Approach)は、これまで一般的だった
- 矯正治療 → 手術 → 微調整(仕上げ矯正)
という順序とは逆に、先に顎の骨を移動する手術を行い、その後に矯正治療を行う方法です。
本体の骨格的なずれを先に解決することで、矯正のゴールが明確になり、治療全体の計画が立てやすくなるのが最大の特徴です。
特に「今すぐ見た目を改善したい」というニーズに応える方法として、短期間で顔貌の変化を実感しやすいというメリットがあります。
💡 インビザラインとの組み合わせ
サージェリーファーストの流れの中で、矯正治療をインビザライン(マウスピース型矯正装置)で行うケースも増えています。
ワイヤー矯正に比べて審美性が高く、患者さんの日常生活への影響が少ないインビザラインは、術後のダウンタイムを少しでも快適に過ごしたい方にぴったりです。
🌀「ラップアラウンド効果」とは?
外科手術後は骨代謝が一時的に活性化し、歯が動きやすくなる「ラップアラウンド効果(wrap-around effect)」と呼ばれる現象が起こります。
この時期に、インビザラインを正しく装着することで、歯の移動効率を高めることができ、全体の治療期間が短縮される可能性もあります。
インビザラインの利点である「段階的なコントロール」「予測可能な治療進行」が、サージェリーファーストの手術後のステージで活かされるのです。
🔍 適応と注意点
✅ 向いている症例
- 顎の骨格的なズレが明確で、術後すぐに見た目の改善を得たいケース
- 噛み合わせのズレよりも顔貌に悩んでいる患者さん
- 全体的なモチベーションを早期に高めたい場合
⚠️ 注意点
- すべての下顎前突症例に適応できるわけではない
- 術後のコントロールが難しく、細かな計画ミスが後戻りやズレを招くことも
- 高度な治療計画・チーム医療(外科医+矯正医)の連携が不可欠
💬 ワンポイントまとめ
サージェリーファーストとインビザラインの組み合わせは、見た目と治療効率の両方を追求したい人にとって有効な選択肢です。
でも「手術が先」と聞くと、ちょっと不安に思う方も多いはず。 大事なのは、「いま見た目がどうか」だけでなく、「将来どう安定して過ごせるか」という視点で一緒に考えること。
カウンセリングでは、あなたの骨格・歯並び・希望するゴールをしっかり見極めたうえで、最適なタイミングと治療方法をご提案します😊
📑 参考文献
- Hernández-Alfaro F, Guijarro-Martínez R. Surgery First in orthognathic surgery: What have we learned? J Oral Maxillofac Surg. 2014;72(9):1765.e1-1765.e12.
- Villegas C, et al. The “surgery first” approach in orthognathic surgery: A systematic review. J Craniofac Surg. 2018;29(3):e289–e293.
- Uribe F, et al. Surgery-first orthognathic approach: Benefits, indications, and limitations. J Clin Orthod. 2017;51(5):255–266.









