
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
インビザラインのリファイメント(再印象)を最小限に抑える理由は?😮
2025年04月14日
インビザライン治療では、透明なマウスピース(アライナー)を用いて歯並びを整えていきますが、
治療途中で「リファイメント(再印象)」が必要になるケースがあります。
リファイメントとは、治療計画通りに歯が動いていない場合に、新たに型取り(印象採得)を行い、アライナーを作り直す工程のことです。
しかし、このリファイメントはできる限り少ない方が良いとされています。今回は、その理由について詳しく解説します。
📍リファイメントが少ない=治療がスムーズに進む
リファイメントが多いということは、逆に言えば
「最初の治療計画がズレていた」または
「患者さんの協力度が低かった」ことの表れでもあります。
💡的確な治療計画が重要
インビザライン治療では、治療前の精密な診査・診断と、正確なシミュレーション(クリンチェック)がとても大切です。
ここでしっかりと分析し、理想的な歯の動かし方を計画することで、治療途中で大きなズレが起こるリスクを減らすことができます。
📍リファイメントが多いと患者さんの負担が大きい
リファイメントが増えると、以下のような負担が患者さんにかかります。
負担 | 内容 |
---|---|
◎治療期間の延長 | 予定より数ヶ月伸びることも |
◎再度の型取り | 不快感や来院回数の増加 |
◎追加費用 | 医院によっては追加料金が発生することも |
◎モチベーションの低下 | 治療への不安や不信感につながる |
患者さんは「何回も印象を取り直すのは嫌だ」「早く終わってほしい」と思っています。
だからこそ、治療計画の精度を上げ、患者さん自身の協力度も高めることが重要です。
📍リファイメントが多いと治療効果が下がることも
リファイメントが必要になると、最初の治療計画を一部やり直すことになります。
これは、以下のようなデメリットを生む可能性があります。
✅歯の動きが複雑化する
✅新しいアライナーとの適合が難しくなる
✅最初に想定していたゴールから遠ざかる
つまり、無駄なリファイメントは治療効果を最大限に引き出す妨げになってしまうのです。
📍リファイメントを減らすためにできること
対策 | ポイント |
---|---|
◎精密な診断 | CT・口腔内スキャン・写真・咬合分析を丁寧に行う |
◎現実的な治療計画 | 理想だけでなく実現可能なプランを作成 |
◎患者さんの協力度アップ | 装着時間を守ってもらう・こまめな説明 |
◎途中経過のチェック | アタッチメントの脱離確認・アライナーの適合チェック |
これらを徹底することで、リファイメントの発生を最小限に抑え、患者さんの満足度も大きく高めることができます。
📍まとめ
インビザライン治療においてリファイメント(再印象)を最小限に抑えることは、以下の理由からとても重要です。
✅治療の効率化
✅患者さんの負担軽減
✅治療成果の最大化
✅患者さんとの信頼関係の構築
そのためには「正確な診断」「質の高い治療計画」「患者さんの協力」が不可欠です。
インビザライン治療を検討中の方は、ぜひこうしたポイントを重視しているクリニックを選ぶと、満足度の高い治療につながるでしょう。
1. Initial severity of malocclusion affects treatment duration and number of refinements in patients treated with clear aligners.
(インビザライン治療における不正咬合の重症度が治療期間とリファイメント回数に与える影響)
著者:Marwan Alsoufi, Shatha Alassiry, Mohammed Alqerban
発表年:2022年
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