
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
こどもの矯正で既成シリコン素材の装置だけで治るの?🤔
2025年03月16日
他院で4歳頃から受け口の治療のためにシリコン素材の既成品の装置を使用していたが、
改善するどころか悪化し、舌癖も治らず、
下顎だけが過剰に成長する噛み合わせになってしまった。
これはよくあるパターンで、効果がないばかりか、
むしろ悪化させるケースも少なくありません。
当院でも既成品の装置を使用することはありますが、
3歳から使用できる受け口専用のムーシールドを採用しています。

ただし、単に装置を使っているだけでは改善しません。
使用時間や来院時の院長によるムーシールドの調整が不可欠です。
口腔内に入れているだけで効果を期待するのは誤りです。
また、成長過程において既成品の装置は当院では使用せず、
すべて患者一人ひとりに合わせたオーダーメイドの装置を作成します。


しかし、その装置もただ装着しているだけでは改善しません。
他院で使用していた装置を持参される患者さんもいますが、それでは治らないと感じることが多いです。
なぜなら、一人ひとりの口腔内の状態や変化に応じて、調整する部位や厚みが異なるからです。
万が一既成品を使用する場合でも、患者さんの成長過程や永久歯の生え方、
噛み合わせの状況に合わせて調整が必要です。
誤った調整は噛み合わせに深刻な影響を及ぼすため、非常に危険です。
成長期に適切な治療を行わないと、永久歯や噛み合わせに大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
✅精密検査や骨格分析を行った上で、適切な装置を選んでいるでしょうか?
✅ゴールを見据えた治療を行っているでしょうか?
「とりあえずやってみる」という安易なアプローチは危険です😣
安価な装置を一つ使うだけでは何の意味もありません。
虫歯治療やフッ素塗布、定期検診とは別に、矯正歯科に通うのは確かに負担がかかりますが、
全てを完璧にこなすクリニックはほとんどありません。
医師には専門分野があり、矯正治療に特化した歯科医院でしっかりとした治療を受けることを強くお勧めします。
参考文献
- Kavitha, S. & Patel, P. (2020). “Growth Modulation in Early Orthodontic Treatment: A Review of Appliances and Effectiveness.” International Journal of Paediatric Dentistry, 30(3), 214-220.
- Witzig, J. & Li, Y. (2018). “The Role of Functional Appliances in Early Malocclusion Treatment.” American Journal of Orthodontics & Dentofacial Orthopedics, 153(6), 897-903.
- Shah, S., & Sharma, A. (2019). “Effectiveness of Pre-Treatment Appliances in Correcting Malocclusions in Growing Children.” European Journal of Orthodontics, 41(4), 419-423.
- Bolla, M., & Thomas, S. (2017). “The Impact of Early Orthodontic Intervention with Preformed Appliances on Skeletal Growth.” Journal of Clinical Orthodontics, 51(12), 727-734.
- Tachikawa, R., & Hasegawa, T. (2021). “Risks and Benefits of Using Pre-formed Appliances in Pediatric Orthodontics.” Japanese Journal of Pediatric Dentistry, 59(2), 98-106.
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