
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
ワイヤー矯正とマウスピース(アライナー)矯正ってどっちが虫歯になりやすいの?🦷
2025年04月12日
矯正治療中の虫歯リスク|ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いとは?
歯並びを整えるための矯正治療は、見た目の改善だけでなく、噛み合わせや口腔内環境の改善にもつながる大切な治療です。
しかし、矯正治療中は虫歯のリスクが高まることをご存じでしょうか?
とくに使用する矯正装置の種類によって、そのリスクの程度や原因は異なります。
この記事では、ワイヤー矯正とマウスピース(アライナー)矯正における虫歯リスクの違いや、それぞれの特徴について詳しく解説します。
≪ワイヤー矯正(ブラケット矯正)の虫歯リスクとその原因≫
🦷ワイヤー矯正とは?
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく矯正方法です。
従来から多く行われている矯正法で、歯を細かくコントロールしやすいというメリットがありますが、
装置の構造上、虫歯のリスクが高まるというデメリットもあります。
🦷ワイヤー矯正で虫歯ができやすい理由
1. 歯磨きが難しい🪥
ワイヤーやブラケットが歯の表面にあることで、食べかすやプラーク(歯垢)がたまりやすくなります。
通常の歯磨きだけでは汚れを落としきることが難しく、特にブラケットの周辺や歯と歯の間は磨き残しが多くなりがちです。

2. プラークが長時間残る🦠
プラークが残ったままになると、そこに虫歯菌が繁殖し、酸を作り出して歯の表面を溶かしてしまいます。
これが虫歯の大きな原因となります。
3. 唾液の働きが低下💧
ブラケットやワイヤーがあることで、唾液による自然な洗浄効果(自浄作用)が働きにくくなります。
唾液は本来、虫歯の原因となる酸を中和したり、歯の再石灰化を促進したりする役割を担っていますが、
矯正装置の影響でその効果が十分に発揮されない場合があります。
4. 初期虫歯(ホワイトスポット)のリスク😣
矯正治療中は、虫歯の初期症状である「ホワイトスポット(白濁)」が現れやすいのも特徴です。
これはエナメル質が脱灰し、白く濁って見える状態で、放置すると本格的な虫歯に進行する可能性があります。
≪マウスピース矯正(アライナー矯正)の虫歯リスクと特徴≫
🦷マウスピース矯正とは?
マウスピース矯正は、透明なアライナーを装着し、歯を少しずつ移動させていく矯正方法です。
インビザラインを代表とするこの治療法は、取り外しが可能な点が最大の特徴であり、近年人気が高まっています。

🦷マウスピース矯正の虫歯リスクが低い理由
1. 食事や歯磨きの際に取り外せる✨
最大のメリットは、食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外せることです。
これにより、矯正治療前と同じようにしっかりと歯磨きやフロスができ、プラークや食べかすを除去しやすくなります。
2. 唾液の働きが維持されやすい👄
マウスピースを外している間は、唾液が自由に流れるため、自然な自浄作用が働きやすくなります。
これにより、虫歯のリスクが比較的低く抑えられます。
💡それでも注意が必要なポイント
ただし、マウスピース矯正でも虫歯になるリスクはゼロではありません。
例えば、以下のようなケースでは虫歯リスクが高まります。
マウスピースを装着したまま飲食する(とくに糖分を含む飲み物)
マウスピース自体の清掃が不十分
装着時間が長すぎて唾液の流れが悪くなる
≪矯正治療中の虫歯を防ぐための対策≫
矯正方法に関わらず、虫歯予防には毎日のケアがとても重要です。
以下のような習慣を心がけましょう。
1. 丁寧な歯磨き🪥
・ワイヤー矯正の場合は、矯正専用の歯ブラシやタフトブラシ、フロス、歯間ブラシを活用しましょう。
・マウスピース矯正の場合でも、食後は必ず歯磨きをしてからマウスピースを装着することが大切です。
2. マウスピースや装置の清掃✨
・マウスピースは専用の洗浄剤や流水で毎日清潔に保ちましょう。
・ワイヤー矯正では、ブラケット周りの磨き残しを防ぐ工夫が必要です。
3. 定期的な歯科医院でのクリーニング🏥
矯正中は通常より短い間隔で歯科医院でのクリーニングやチェックを受けることが推奨されます。
早期に虫歯や初期の白濁を発見することで、進行を防ぐことができます。
4. 食生活の見直し🥤
砂糖を多く含むお菓子やジュースは控えめにし、キシリトールガムの利用や食後すぐの歯磨きを習慣づけましょう。
≪まとめ≫
矯正治療中の虫歯リスクは、ワイヤー矯正とマウスピース矯正で大きく異なります。
ワイヤー矯正は装置が複雑で清掃が難しく、虫歯やホワイトスポットのリスクが高くなりがちです。
一方で、マウスピース矯正は取り外し可能なため虫歯リスクは低めですが、適切な使用方法や清掃が不十分だとリスクは高まります。
いずれの矯正方法を選んでも、正しい口腔ケアと定期的なメンテナンスが虫歯予防のカギです。
矯正治療を受けている方は、普段以上にお口のケアを意識することが、健康で美しい歯並びへの近道となります。
≪参考文献≫
van der Veen, M.H., et al. “Caries risk assessment during orthodontic treatment with fixed appliances.” American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 2012.
Buschang, P.H., et al. “Incidence of white spot lesions among patients treated with clear aligners and fixed appliances.” The Angle Orthodontist, 2013.
Pithon, M.M., et al. “Effectiveness of fluoride varnish in preventing white spot lesions during orthodontic treatment: a systematic review.” Dental Press Journal of Orthodontics, 2014.
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