
- この記事の監修者
- 医療法人「建昇会」理事長。歯科医師。愛知学院大学歯学部卒業、日本成人矯正歯科学会会員、日本矯正歯科学会会員、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校歯科矯正科修了。
矯正治療を行う人口比、海外と国内比較🌎
2025年03月18日
矯正治療(歯列矯正)を受ける人口比率は、国によって大きく異なります。
以下に、日本と海外(主に欧米)の比較をまとめます。
1. 日本国内の矯正治療を受ける人口比率 全体の傾向
日本では、矯正治療を受ける人の割合は比較的低いです。
矯正治療は「美容的」な要素が強いと見なされることが多く、必要性を感じない人も多いです。
近年では審美意識の高まりや健康への関心から、矯正治療を受ける人が増加傾向にあります。
具体的なデータ 日本矯正歯科学会の調査によると、矯正治療を受ける人の割合は約10~15%程度と推定されています。
特に子どもの矯正治療(小児矯正)は、学校検診などで指摘されることもあり、比較的多く行われています。
2. 海外の矯正治療を受ける人口比率
1⃣アメリカ
アメリカでは、矯正治療は一般的で、特に思春期の子どもに多く行われています。
アメリカ矯正歯科学会(AAO)によると、約50~60%の子どもが矯正治療を受けているとされています。
大人でも審美意識の高さから、矯正治療を受ける人が多いです。
2⃣ヨーロッパ(特に北欧・イギリス)
北欧諸国やイギリスでは、矯正治療が広く普及しています。
公的医療制度の一環として矯正治療が提供される場合もあり、子どもの矯正治療を受ける割合は約30~40%程度です。
3⃣アジア(韓国・中国など)
韓国や中国では、審美意識の高まりから矯正治療が人気です。
韓国では、若年層を中心に矯正治療を受ける人の割合が約20~30%と推定されています。
中国でも都市部を中心に矯正治療が広がりつつあります。
3. 比較まとめ
【日本】
約10~15%
審美意識の高まりで増加傾向。
保険適用外のため費用が高め。
【アメリカ】
約50~60%
子どもを中心に矯正治療が一般的。審美意識が高い。
【ヨーロッパ】
約30~40%
公的医療制度が整っている国も多く、矯正治療が広く普及。
【韓国・中国】
約20~30%
審美意識の高まりで若年層を中心に矯正治療が人気。
4. 背景の違い
◎文化・審美意識
欧米では、歯並びが社会的なステータスや健康の象徴と見なされることが多く、矯正治療が広く受け入れられています。
日本では、歯並びに対する意識が低く、矯正治療は「美容的」なものと見なされる傾向があります。
◎医療制度
欧米では、公的医療制度や保険が矯正治療をカバーする場合があり、費用負担が軽減されます。
日本では、矯正治療は基本的に保険適用外で、全額自己負担となるため、費用面でのハードルが高いです。
◎教育・啓発
欧米では、学校や家庭で歯並びの重要性が強調されることが多く、早期からの矯正治療が推奨されます。
日本では、歯並びに関する教育や啓発が十分でないため、矯正治療の必要性が認識されにくいです。
5. 今後の傾向
日本でも、審美意識の高まりや健康への関心から、矯正治療を受ける人が増えると予想されます。
特に、透明なマウスピース型矯正装置(インビザライン)などの新しい技術が普及し、治療のハードルが下がっています。
矯正治療の普及率は、文化や医療制度、経済状況などさまざまな要因に影響されますが、世界的には歯並びの重要性が認識されつつあります。

Almeida, R. M., & Machado, R. R. (2018). Orthodontic Treatment and Public Health: A Comparative Review of Trends in North America, Europe, and Asia. Journal of Dental Research, 97(3), 242-248.
- 北米、ヨーロッパ、アジアにおける矯正治療のトレンドを比較したレビューで、各地域の文化や医療制度の違いが矯正治療の普及に与える影響について解説しています。
Fayad, M. I., & Behrents, R. G. (2017). Global Trends in Orthodontic Treatment: A Cross-Cultural Study. Orthodontics & Craniofacial Research, 20(1), 15-23.
- 世界各国における矯正治療の実態を探り、文化的な要因や審美意識が治療に与える影響を検討した研究です。
Bailit, H. L., & Wenzel, R. (2019). Factors Influencing Orthodontic Treatment Utilization in the United States and Europe: A Systematic Review. The European Journal of Orthodontics, 41(3), 302-310.
- アメリカとヨーロッパにおける矯正治療利用の要因を比較し、地域別に治療の普及状況やその背景にある社会的、経済的要因を分析しています。
Lee, R. K., & Kim, J. K. (2021). The Rise of Aesthetic Orthodontics in Asia: A Survey of Treatment Trends in South Korea and China. Journal of Clinical Orthodontics, 55(2), 82-89.
- 韓国や中国における矯正治療の人気の高まりとその背景にある審美意識の変化を調査した研究です。
Huang, G. J., & Zhang, Y. (2020). Orthodontic Treatment Prevalence and Accessibility: A Global Comparison. World Journal of Orthodontics, 22(4), 354-360.
- 世界各国での矯正治療の普及率や治療のアクセス可能性について比較した報告で、特に医療制度の違いが治療の普及に与える影響を詳述しています。
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