「目立ちにくい矯正装置」にはどのようなものがあるの?Ver2|愛知・名古屋の矯正歯科クリニック
2020年02月20日
今回は、「目立ちにくい矯正装置にはどのようなものがあるの?」のVer2になります。
前回は、裏側矯正(フルリンガル)、ハーフリンガルに関してご説明しました。
今回は、透明で取り外しできる「マウスピース矯正」と、従来から存在するワイヤーを利用した矯正で目立ちにくく加工した装置に関してご説明します。
1.取り外しができる「マウスピース矯正」
1-1.透明のマウスピースを使った矯正治療
近年新たに誕生したマウスピース矯正は、薄い透明のマウスピースの装着を繰り返しながら歯並びを整えていきます。各ステップに合わせて数十枚のマウスピースを作製し、それを1~2週間ごとに交換しながら理想的な歯並びに近づけていきます。
1-2.食事や歯磨きの時に取り外しが可能
マウスピース矯正が他の矯正装置と大きく異なるのは、装置が固定式ではなく取り外しができる点です。食事や歯磨きなどもマウスピースを外して行えるため、矯正治療中によくある「食べ物が食べづらい」「歯ブラシが当てにくい」といった悩みが解消されます。
1-3.見た目・装着感は文句ナシ!ただし適用条件が限られる
マウスピース矯正は治療中もそれを周囲の人に気づかれる心配がなく、また装着による違和感や不快感が少ないのが最大のメリットです。ただ適用できる条件が限られており、歯並びの状態によってはマウスピース矯正での治療が行えない場合があります。
またマウスピースは基本的に1日20時間以上の装着が必要であり、歯科医の指示通りに装着しないと良好な結果が得られない可能性があるため注意が必要です。
費用面については裏側矯正ほど高額ではないものの、一般的な矯正治療(表側矯正)よりもコストは高くなります。
2.比較的リーズナブルな矯正「審美ブラケット矯正」
2-1.白いブラケットとワイヤーによる表側矯正
審美ブラケット矯正ではこれまでのような金属製のブラケットではなく、プラスチックやセラミックなど“白い材質”でできたブラケットを使用していきます。表側に装着しても歯の色に馴染むため、従来ほど装置が目立ちません。ワイヤーも白くコーティングされたものを使用すれば、さらに目立ちにくくすることができます。
2-2.治療期間が短縮できる
審美ブラケット矯正を含め、表側矯正は矯正治療の中で最もオーソドックスな治療法であり、どのような歯並びにも対応することができます。また他の矯正装置と比べ、治療期間が短いのもメリットです。
審美ブラケット矯正については近年、ブラケットとワイヤーの摩擦を少なくした「セルフライゲーションブラケット」という装置も新たに誕生しています。セルフライゲーションブラケットは歯に弱い力を加えながら歯を動かしていくため治療中の痛みが少なく、治療期間もさらに短縮できるのが特長です。
2-3.“見た目”よりも“コスト”を重視したい人におすすめ
審美ブラケット矯正は従来の装置(金属ブラケット)と比べ目立ちにくいものの、装置自体は歯の表側に取りつけるため「周囲に気づかれない」というまでにはいたりません。
ただこれまでにご紹介した“目立ちにくい矯正装置”の中では費用が最も安いため、コストをより重視したい人にはおすすめの治療法といえます。
3.「目立ちにくい矯正装置」には高度な知識と技術が必要
以上にご紹介してきた矯正装置に共通していえるのは、いずれの装置もそれを実際に使用して治療する歯科医には、より高度な知識と技術が求められるということです。
「目立ちにくい矯正装置」はこれまで“見栄えが悪くなる”という理由で治療をあきらめていた人にとっては画期的な治療法で、近年その人気も急速に高まってきています。一方で、その人気に乗じて専門的な知識や技術を持たない歯科医が安易に矯正治療を行うケースや、実際にそのような治療によるトラブルも増えているため注意が必要です。
「目立ちにくい矯正装置」をはじめとする矯正治療は、大学や学会などの専門機関で矯正歯科に関する知識や技術を学んだ経験のある歯科医のもとで行うことをおすすめします。